ずっとこの日を待っていた。シビックにレカロシート装着できる日を。
今年の1月時点ではメーカーからレールが作られていないとの報告をお店から聞き、落胆する毎日を過ごしていた。
あれから2ヶ月。遂に悲願だったレカロシート装着したのである。
現在の法律では、メーカー純正のシートレールを使用しなければ車検に通らないらしい。
ネット上で見つかった人の中には、私よりも先にFL1にレカロシートを装着している人を発見したが、純正レールの発売タイミングを考慮する限り、どこかのサードパーティのレールを使って装着したと思われる。
私の場合は、正真正銘、レカロ社の正規レールによる設置である。車検対応品だ。
装着後、レカロシートで運転開始。
真っ先に浮かんだ感想を一言で表すと・・・・。
ホッとした
である。
久しぶりに自分の家に戻ってきたような安堵感。
ずっと、ずっと、ふわふわと地に足がつかないような、なんとも言えないアウェイな感覚があった新型シビックでの運転。
不思議だ。レカロシート装着しただけなのに、我がシビック、我がマイカー。そんな気持ちがモリモリと湧き上がってきたのである。
おかえりなさい、マイカーの世界。
これまでランサーエボリューションIVを5年、ランサーエボリューションVIIIを7年、コルトラリーアートバージョンRを10年、合計22年間をレカロシートの空間で過ごしてきた。
あまりにも当たり前だったレカロシートで運転する操作空間。シビックに乗り換えてからレカロの存在を意識しないまま突如失って以降、どうしてもシビックの存在をマイカーとして心から愛せなかったのである。
愛せなかった理由・・・。シートの存在だったのである。
自分の意思にある頭の中の車の空間と、シビックの車体との間に、言葉で表せない距離がずっと存在していた。と言えば良いのか・・・。
シビックを運転しても、運転しても、心と車が一体化できなかった。
それがレカロシートに座り、数秒間運転しただけで、フッと、シビックがマイカーになったと心から思える世界が蘇ってきたのである。
体に密着するシート。シートと車体。完全融合で、ガッチリ固定される世界感。体と車がガッチリと融合した世界感での運転を味わえる。これこそがレカロシートの凄さなのである。
これまでずっとレカロシートの恩恵を、当たり前すぎるほど長い時間、マイカー生活として22年間も続けてきた。当たり前すぎて、レカロシートの有り難さを感じることすらしてこなかった。シビックに乗り換えて、初めてシートの力を実感したのである。
まだレカロシート装着してからの運転時間は1時間程度である。それでも、私の頭の中の車体感覚と実車感覚が完全に融合した世界を味わうことができている。確かな感触を手にしたのだ。
さあ、これから自分の思い通りにシビックを操ってみようじゃないか。
シビックに買い替えてから忘れていたこの大事な運転感。一気に呼び戻してくれたのである。
レカロ様、本当にありがとう。