先日、国税庁から300万円以下は雑所得とする法案が提出された。現在意見公募を行っているが、反対意見を出しても、この法案が覆る可能性は低く、年内可決は濃厚と言われている。
この内容を正しく理解すると、
会社員等の本業があって、かつ税務署に個人開業届を提出し、更に青色申告をしていて、年間売上が300万円未満の人たちは、青色申告特別控除が受けられなくなる。
これが全てである。
白色申告しかしていない人は無関係というわけである。
雑所得と事業所得との大きな違いは、本業の収入と合算して税金計算できる点であり、赤字副業にして、節税する抜け道を塞ぐのが本質だ。
コロナ禍になり、在宅勤務の推進によって、副業が流行したわけだが、副業という名を使って節税する人が相当数増加した点にメスを入れたものと思われる。
青色申告を行って、赤字副業であれば、本業収入にも節税効果が得られたメリットはたしかに大きい。
しかし、重要なのは最終的に手元に残すお金の量である。
節税対策に対する金額インパクトは、収入を拡大させて納税後に手元に残る金額と比べると効果は1/3以下でしかない。
サラリーマンのように、自動的に天引きされるシステムは、納税している意識は少ない。
ところが、一度でも手元に現金が手に入った後から納税すると、猛烈に税金を払った実感させられる。
結果的に同じなのに、一度手元に入ったお金を、後日納税するだけで、税金を払った実感力が全く異なるからヒトの感情はいい加減でもある。
だからこそ、節税への意識も高まるわけだが、そもそも赤字副業の存在は悪だし、法人化して、大規模な設備投資や人的投資をした結果、創業初期の赤字と違って、個人が行う副業で赤字はどう考えても不自然である。
稼ぐために副業をするのに赤字になるレベルとは、悪意をもった赤字事業所得と捉えられてもやむを得ない。
副業ではなく、本業だったら年間事業所得300万円以上を目指すのは、自然だし、そうでなければ生活もままならない金額である。
最も影響を受けるのは、小さな副業をやっていて、少額ながら利益を出していている人が青色申告特別控除の65万円がなくなり、実質税金額が増えてしまう点だ。
私のような中途半端な収益を上げている者は、65万円の所得控除が受けられないため、実質増税になってしまうのである。
ちなみに今年の私の副業収益は300万円を超えられるか、超えられないかの瀬戸際レベルで推移している。
正直、この程度で終わらせるつもりもないし、300万円以下は雑所得なんてルールとは無関係のレベルまで収益を安定的に稼ぐ力を養い、もっともっと、今まで以上にチャレンジングに売上を上げなさいと、国税庁から背中を押されていると前向きに捉えることにしている。
インボイス制度も同様だ。
当初から消費税の納税義務を果たさなければならない年間1000万円以上の事業所得のレベルをさっさと超えなければならない。
インボイス制度によって、手元資金が減るなんて嘆いているようではいけないのだ。
インボイス制度には猶予期間がある。いきなり10%納税義務が発生するわけではない。
徐々に10%に近づいてく時間的猶予があるうちに、さっさと1000万円を超えれば良いだけだ。
1000万円を超えれば、法人化が視野に入ってくる。法人化すれば2年間免税事業者になることもできる。
無論、維持コストは跳ね上がるが、雑所得問題やインボイス制度による負担増と比較すれば、500万円程度に事業所得レベルでも、法人化のほうが経費面で有利になる可能性さえあると考えている。
とにかく、私の目標は、副業所得が本業所得を1年でも早く上回って、副業を本業にシフトさせることである。
今は2刀流で活動時間に制限がある。
時間制限がある中で本業所得を上回らなければならない。
そのためには時間を大切にして、全力で成果を出さなければならない。
下の子が保育園を卒園するタイミング(2年半後)に合わせて、サラリーマン生活を引退し、自分の事業だけで生活できるようにもっていくのが直近の大目標だ。
保育園通園はサラリーマンでいなければ、通わせるのが困難だ。
卒園し、小学校に入ってくれれば、私の就業状況の制限問題の一つは解消される。
家族にも堂々と安心させられるだけの副業所得を、2刀流の状態のまま突破するのは簡単ではないが、必ずやり遂げてみせる。
他人から時間束縛や命令される環境から、自分の責任の判断だけで仕事をしていくライフスタイル。
別の意味で重圧がのしかかるが、それでもやり遂げなければならない。
残された有意義な人生時間を手に入れるためにも今こそ頑張りどころである。