法人の設立直後の法人口座開設において実感する社会的信用の重要性と、それを獲得する道筋について考察する。
本題の前に社会人としてのキャリアを振り返ってみる。
大学卒業後、社会人1年目にクレジットカードを作成した。
この際、クレジットカードの申し込みがスムーズに進んだのは、入社した会社の信用があったからである。
また、20代の頃に自動車をローンで購入したが、ローン審査が通過できたのも会社の信用力によるものだった。
さらに、7年前に住宅ローンを組んでマイホームを手に入れることができたのも、同様の理由である。
これまでの人生において、金融系の審査では、私自身の信用より、サラリーマンとして所属する会社の信用力が大きく影響していたのである。
しかし、法人を設立する場合、この状況は一変する。
設立したばかりの法人は、実績はもちろんゼロ。無からのスタートだ。
しかしメガバンクでの口座開設をする場合、取引実績を示す書面の提出が求められる。
実績をこれから作るために法人化したのに実績を求められる。明らかな矛盾が存在する。
メガバンクは事業の実態が確認できないと口座開設を許可してくれない。
法人設立した直後にとって、苦しい条件を突きつけられる。
では、どうしたらこの壁を突破できるのか。
答えは、個人事業主時代の取引実績を持ち出すのである。
法人化する前の個人事業で行った過去の取引先を示し、金額の入った契約書や、注文書や請求書などの取引の証明書類を提出する。
加えて、書面記載の金額と銀行口座の入出金明細を開示して、書面記載の金額との一致を確認する。これにより、取引が正しく行われている証拠として実績を証明するのだ。
法人設立直後で全く法人口座を持っていない状況で実績を示すには、個人事業時代の取引実績を使うしかない。
これこそが、法人設立直後でのメガバンク口座開設のポイントになると推察している。
銀行によっては個人事業主時代の確定申告書の提出も求められることが多い。
結局のところ、法人設立直後で銀行口座開設するには、大手企業の子会社化とか、大規模な出資を受け、資本金規模が大きい企業体でない限り、マイクロ法人設立レベルだと、個人事業で一定の実績を作ってから法人成りステップが必須といえそうだ。
実績ゼロの状態で且つ法人成りでもない完全な新規での起業の場合、いきなり法人設立で口座開設できる場合は、すでに大型案件の受注が決まっていて、信用度の高い企業との間で、金額の入った契約を取り交わしているとか、政府系金融機関からの借り入れ審査を通過した書面など、第三者からの信用を証明する書面がなければ、メガバンクの口座開設はできないという結論となる。
法人化で成功を収めるには、実績のある企業体から信用を分けてもらうか、一歩一歩、小さな実績を積み上げていくしかない。
実績のない法人に対する信用を得るには、時間をかけて、コツコツと受注を積み上げて、迅速な対応とセットで取引先の信頼を勝ち取り、口コミで評価を上げていく。
信用の重さを法人口座開設手続きを実際にしてみて思い知らされる毎日である。
2023/6/23現在、PayPay銀行の法人口座の開設のお知らせが届いた。来週、口座情報が届くので、ようやく法人としての活動できる最低限の環境を手に入れた。
- みずほ銀行・・・一次審査で審査落ち
- 三井住友銀行・・・審査通過、口座開設完了
- 三菱UFJ銀行・・・一次審査通過、WEB面談、二次で審査落ち
- りそな銀行・・・書類不備を指摘、再提出、審査落ち
- 東日本銀行・・・創業半年以内申請不可
- 横浜銀行・・・書類提出済、審査落ち
- きらぼし銀行・・・書類提出済、難しいと言われ、審査落ち
- PayPay銀行・・・審査通過、口座開設完了
そして月日は経過、2023/7/21。三井住友銀行の口座も無事開設。随分時間がかかったが最後の最後に一発逆転でメガバンク口座を手にした。猛烈に嬉しい。
PayPay銀行と三井住友銀行の2つ口座を持つ堂々たる法人の誕生だ。
請求書への記載は三井住友銀行、日々の出金管理はPayPay銀行。
さあ、これからは収益拡大のために力を注いでいきたい。