今回はいつもとちょっと違うトーンでお届けする。
テーマはズバリ「モダンな技術」ばかりを追いかける若手ITエンジニアたちへの問題提起である。
昭和生まれの私が今のIT界隈の風潮にひとこと言わせていただく。
「モダン技術」という言葉に、ちょっと待った。
最近の求人票にはよく見かけませる文言である。
「当社はモダンな技術で開発を進めています」
「最新技術をフル活用できる現場です」
……正直、その言葉を見るたびに吐き気すら覚える。
もちろん新しい技術に価値があるのは分かっている。
でも、「モダン」だから「正義」、古い技術は「悪」みたいな空気感、どうなのだろうか。
技術って本来、目的を達成するための手段でしかないはずだ。
JavaScript・HTML・CSSはOK。でも…
フロントエンド技術の核であるJavaScript、HTML、CSS。これは当然必要だ。
Webブラウザが直接理解できる言語であり、動的なUIの構築に必須だからだ。
でも最近は、そこにTypeScriptだのReactだのVueだのが加わり、若い人たちはいきなり「Reactから勉強しよう」と言い出す。
いやいや、JavaScriptわかってる?DOM操作わかってる?とツッコミたくなる。
バックエンドも乱立しすぎて、ついていけない。
PHP、Python、Ruby、Node.js、Go…。多種多様なバックエンド技術が登場し、まるで「流行りのファッション」のように次々と置き換わっていく。
かつての王者だったPerlは今や忘れ去られ、PHPは「オワコン」と言われる始末。
でも、PHPは今でもWordPressを支える現役選手である。Webの7割近くはPHPベースで動いているという事実、知ってますか?
シンプル・イズ・ベストの時代が、また来るだろう。
私が大切にしているのは、シンプルな技術構成だ。素のPHPとjQuery。正直、これだけでほとんどの業務系Webアプリは一人で開発できる。
しかもこの構成、AIとの相性が抜群に良い。
コードをAIに読ませれば正確に補完・修正ができる。
ReactやNext.jsみたいなレイヤー地獄の中では、AIもどこでエラーが起きてるか判断が難しい。
本質を見失うな。コア技術を理解せよ。
私は別に最新技術を否定しているわけではない。
Reactを使うのも、TypeScriptを使うのも構わない。
でもその前に、なぜそれを使うのか?コアは何か?を理解してほしい。
技術を覚える順番を間違えると、後から詰む。
表層だけ覚えて、何かトラブルがあったときに原因を突き止められない。
それではエンジニアとは呼べない。
昭和のオジサンから、若いエンジニアへ。
「古い技術にしがみついているだけ」と笑う人もいるだろう。
でも私は、素のPHPで作るアプリがもっとも安定し、保守性が高く、理解しやすいと信じている。
複雑なフレームワークや膨大な依存関係に支配されない、シンプルで理解可能な技術スタック。
それこそが、これからのAI時代にも生き残る技術だと確信している。
- 技術は「新しいから良い」わけではない
- JavaScriptやHTMLなどの基礎を押さえることが最優先
- フレームワークは便利だが、理解のない使用は危険
- PHPはまだまだ現役。WordPressも立派な証明
- AI時代こそ、シンプルでわかりやすいコードが強い
キラキラしたITエンジニアの世界に憧れる若者たちへ。
「技術の本質を見る目」を持ってほしい。
流行ではなく、価値ある技術を選んでいこう。