2025-10-17
2040年に向けた未来ビジネス戦略を考える
久しぶりの更新の今回は、少し壮大なテーマ、「2040年に向けた未来ビジネス戦略」について書きたい。
日本の未来が暗いと言われる理由
今の日本には「未来が暗い」というイメージが根強くある。
その最大の要因は、やはり「少子高齢化」。年寄りが増えて、若者が減る構造から来ているのはいうまでもない。
私たち50代はいわゆる「第二次ベビーブーム世代」で、1学年あたり220万人もいた世代である。
その上には「団塊の世代」もいて、すでに後期高齢者に入っている。
つまり、これから日本は一気に高齢化が進み、人口減少がさらに加速する時代に入るのが確定している。
2040年、日本の人口はどうなるのか?
2040年頃には、高齢者人口がピークを迎える。
今50代の私たちが75歳になる頃、日本の人口構造は大きく変わり、いわゆる「ピークアウト」の時期である。
つまり、私たちの世代が寿命を迎える頃、日本全体の人口が急激に減っていくのである。
暗い話のようにも聞こえるが、私はそれでも「未来を明るく考えたい」と思っている。
なぜなら、健康寿命が延びているからだ。
健康寿命が変える高齢者像
今の75歳たち。
30年前の75歳と比べると、驚くほど元気である。
今後、私たちが75歳になる頃には、さらに健康で活動的な人が増えていくだろう。
だからこそ、「今の70~80代をそのまま未来に当てはめる」思想で考えてはならない。
私たちの世代が高齢者になる時代には、体力面は多少落ちても、知的活動や趣味、社会参加の面でずっとアクティブになっていると思うからだ。
デジタル世代の高齢者が生まれる
そしてもうひとつ大きな違いがある。
それは、私たちの世代は「デジタルデバイスに慣れている」ということである。
20年前の70~80代はパソコンを使えない人が多かった。
でも私たちは、日常的にキーボードを打ち、スマホを使いこなしている。
今後の高齢者は、パソコン教室に通う必要もない「デジタル高齢者」なのだ。
つまり、「今の高齢者像」を前提にしたビジネスや社会設計は通用しなくなるだろう。
これからは、デジタルと共に生きるシニア層を中心にした新しい時代が来るのである。
AI時代の仕事と創造の形
今、AIの進化がものすごい勢いで進んでいるのは周知の事実である。
そのたびに「AIに仕事を奪われる」と言われますが、私はそうは思わない。
AIによって「なくなる仕事」もあるが、同時に「新しく生まれる仕事」もある。
たとえば漫画家。
AIが漫画を描けるようになったが、本当の価値は「キャラクターや個性の創造」にある。
AIを使えば、制作コストを下げながら、自分の世界観をもっと広く表現できるようになるのだ。
音楽業界の変化が教えてくれること
音楽の世界も同じ。
昔はCDを買わなければ音楽を聴けなかったが、今は月額制で聴き放題。
「安くなった」と言われ、アーティスト泣かせと言われ、各業界から猛反発があったが、実際には「音楽に触れる時間」が圧倒的に増えたプラス面への寄与が大きいのは案外知られていない。
以前はお金を出してCDを手にしなければ音楽を聞く権利がなかったが、気軽に自分の知らないアーティストの曲に触れる機会が増え、リスナー層は広がり、ファンが増え、アーティストの収入も維持されているケースが目立つ。
つまり、形が変わっただけで「市場の活性化」につながっているのである。
AIもこれと同じ構図ではないだろうか。
未来の高齢者が楽しむ世界
では、私たち50代が75歳になったとき、何を楽しんでいるでだろうか。
きっと、デジタルデバイスを使って趣味や交流を楽しんでいるだろう。
健康寿命が延びた時代では、「体力は落ちても楽しみ方は増える」。
そんな新しいシニアライフが広がっていると考えれば少しワクワクしないだろうか。
それでも残る課題:肉体労働の現場
一方で、肉体労働の分野はAIでは置き換えにくい部分だろう。
特に、引っ越し業界や建設業界など、現場で人の力が必要な仕事は深刻な人手不足に直面する。
ここをどう補うかは、今後の社会の大きなテーマである。
しかし逆に言えば、そこには新しいビジネスチャンスもあるはずだ。
技術と仕組みでどう効率化していくか、今から考えておきたい。
おわりに:未来を前向きに生きる
2040年の日本は、確かに課題が山積みだろう。
でも、その中で新しいビジネスの可能性も無限にあるはずだ。
高齢化やAIの進化を「マイナス」と捉えるか、「変化のチャンス」と捉えるか。
私は後者でいたい。
残りの20年を健康的に、そして楽しく、挑戦しながら生きていきたいと思っている。