2026-10-23
AI時代の集客は「一次情報」が武器になる。これからのコンテンツマーケティングとは

自分の商品やサービスを、どうすればもっと多くの人に知ってもらえるのか。広告費をかけ続けるのは難しいけれど、インターネットを通じた問い合わせは増やしたい。事業をしていると、何度も向き合う課題です。
私はマーケティングの専門家ではありません。SaaSを運営する一事業者として、自分のサービスをどう届けるか、日々試行錯誤しています。
その中で今、コンテンツマーケティングの軸に置いているのが「自分しか持っていない一次情報」です。
検索で人に見つけてもらうことに加えて、AIが情報を探し、利用者に提案する場面でも、自分たちの存在を知ってもらいたい。そのために何を発信するかを考えると、実際の経験や顧客とのやり取りに行き着くのです。
検索で見つけてもらう、その先も考える
コンテンツマーケティングでは、見込み客の疑問や悩みに答える記事を作り、検索から自社のサイトに来てもらう方法が広く使われてきました。私も、問い合わせにつなげるために、どんな情報を発信するべきかを考えてきました。
ただ、これからは「検索結果に表示されて、人が記事を読む」という流れだけを想定していては足りないと感じています。
利用者がAIに悩みを相談し、対応できそうな商品やサービスを探してもらう。そのときに、自分たちのサービスも候補として知ってもらえるようにしたい。
私が目指しているのは、そうした接点を作るための情報発信です。人に直接読んでもらうことに加え、AIを介して見つけてもらうことも視野に入れる。その視点で、コンテンツの中身を見直しています。
どこにでもある解説だけでは、自分たちを選ぶ理由になりにくい
たとえば、すでに答えが広く知られている事柄を調べ、わかりやすくまとめ直す。それ自体は、読者の役に立つ仕事です。
しかし、似た内容がいくつものサイトにある中で、なぜ自分のサイトを読んでもらうのか。さらに、なぜ自分の商品やサービスに関心を持ってもらうのか。そこまで考えると、一般的な解説だけで違いを出すのは難しくなります。
AIを使えば、既存の情報を整理した文章も作れます。だからこそ、記事を増やす前に考えたいのです。
その文章には、自分たちだからこそ伝えられる情報があるだろうか。
私が重視しているのは、ここです。
一次情報は、実際にやった人の手元にある
ここでいう一次情報とは、自分たちが実際に経験し、直接得た情報です。
大きな調査や、特別な研究成果に限りません。日々の仕事で受けた相談、対応中につまずいたこと、うまくいかなかった試みも、発信する材料になります。
たとえば、ある技術の仕様を説明するなら、まず公式情報を確認するのが基本です。その説明をまとめ直すことと、自分の環境で実際に対応し、途中で問題にぶつかった経験を書くことは、性質が違います。
どのような状況で、何を試したのか。どこで止まり、どう考えて対応したのか。
その経緯は、実際に取り組んだ人の手元にある情報です。同じ技術を扱っていても、環境や条件、試した順序が違えば、記録としての価値も変わります。
世の中にまったく存在しない話を探す必要はありません。よくある仕事でも、自分たちが経験した具体的な条件や判断まで書けば、独自の情報になるのです。
私が今、増やしているのは「問い合わせと回答」の事例
では、具体的に何をしているのか。
私が今、力を入れているのは、実際にお客様からいただいた問い合わせと、それに対してどう回答したかを事例として発信することです。
どのようなお客様が、何に困っていたのか。どのような質問があり、それにどう答えたのか。
こうしたやり取りには、サービスの紹介ページだけでは伝えきれない情報が含まれています。実際に事業を運営し、お客様と話したからこそ得られた情報です。
もちろん、お客様の名前や個別の事情をそのまま公開するという意味ではありません。公開できる範囲で、相談の背景と回答の要点が伝わる形に整理します。
単に「こんなことができます」と書くより、「こういう相談に、こう答えた」と示したほうが、自分たちに何を相談できるのかを具体的にイメージしてもらいやすいはずです。
私は、そうした事例を少しずつ厚くしていこうとしています。
AIにも、自分たちが何をしているかを知ってもらう
こうした発信で目指しているのは、記事の閲覧数を増やすことだけではありません。
利用者がAIに相談したときに、「その悩みなら、こういうサービスがある」と、自分たちの存在を知るきっかけを作りたいのです。
そのためにも、事業者側から具体的な情報を出す必要があると考えています。自分たちが経験したことや、お客様にどう対応しているかは、公開しなければ外からはわかりません。
ただし、一次情報を発信すれば必ずAIに紹介される、という話ではありません。私自身も実践を続けながら、どのような反応につながるかを見ている段階です。
問い合わせには少しずつ手応えを感じていますが、何がどの程度効いているかは、これからも確かめていく必要があります。
文章を整えるためにAIを使うのはいい
一次情報を重視するからといって、文章をすべて自力で書くべきだとは思いません。
実際の経験をもとに、構成を整理したり、読みやすい文章に整えたりするためにAIを使う。それは十分に活用できる方法です。
大切なのは、AIに渡す材料です。
何を経験したのか。何に困ったのか。どう判断し、どう対応したのか。その材料を持っているのは、現場で仕事をした自分たちです。
文章を作る作業にはAIを使えても、文章のもとになる経験まで任せることはできません。
記事を増やすためにAIに話題を考えてもらう前に、自分たちの仕事の中にある情報を取り出す。その順番を大切にしたいと思っています。
次の記事の材料は、日々の仕事の中にある
「一次情報を発信しましょう」と言うのは簡単です。ただ、それを記事として形にし、続けていくのは簡単ではありません。
それでも、集客のために何を書くか迷ったとき、私はまず、日々の仕事を振り返るようにしています。
最近、どんな質問を受けたか。何に悩み、どう答えたか。うまくいかなかったことは何か。そこから何を学んだか。
その一つひとつが、自分たちにしか出せない情報の材料です。
AI時代のコンテンツマーケティングでは、こうした経験を外に出していくことが、これまで以上に大切になる。私はそう考え、今、取り組んでいます。